Daily Portal
「食べるラー油が成熟している」(2013年10月16日)
http://portal.nifty.com/kiji/131016162070_1.htm
すでにブームが過ぎた「食べるラー油」の系統発生が進んでいるという記事.「食べるラー油達の系統樹」を見ると,2009年の桃屋のラー油をルーツとする系統樹がきれいに描かれている.
File:Linux Distribution Timeline.svg (29 October 2012)
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/1b/Linux_Distribution_Timeline.svg
出典:Wikipedia「Linux distribution」
あと二ヶ月弱で命脈を絶たれる Windows XP 機の再利用のひとつの選択肢として Linux 導入を考えているのだが,Linux そのもののあまりの多様化にクラクラしている.たかだか20年間なのに,この分岐的な適応放散はすごいなあ.
Etymologikon
Lexical Distance Among the Languages of Europe
Posted by Teresa Elms on 4 March 2008
http://elms.wordpress.com/2008/03/04/lexical-distance-among-languages-of-europe/
文化系統学では「Occlupanid」と命名されている「食パン袋クリップ」の製品名は「バッグ・クロージャー(bag closure)」と呼ぶらしい.国内で製造しているのは埼玉にある「クイック・ロック・ジャパン」一社のみとのこと.親会社である〈Kwik Lok〉のサイトには製品カタログを含めていろいろな情報が載っている.
Ad Reinhardt こと Adolph Frederick Reinhardt が描く「現代芸術系統樹」は,Astrit Schmidt-Burkhardt の芸術系譜学本『Stammbäume der Kunst : Zur Genealogie der Avantgarde』(2005年刊行,Akademie Verlag, Berlin, ISBN:3050040661 → 目次)で初めて見た.アメリカ現代芸術の系譜を視覚化したこのツリーはとても印象に残ったので,その後,『系統樹曼荼羅』で取り上げ,来週いっぱいまで開催中の竹尾見本帖〈系統樹の森〉でも展示している.
この芸術系統樹の元典は:Ad Reinhardt 1946. How to Look at Modern Art in America. P.M., vol.6, no.299, 2 July 1946, p.13.いま調べたら,彼の図版はすでにインターネットで公開されていることを知った:
ついでに,他の芸術系統樹に関する文献をいくつか挙げておく.Ad Reinhardt の先駆となる Miguel Covarrubias のアメリカ芸術系統樹:Miguel Covarrubias 1933. The Tree of modern Art – Planted 60 Years Ago. Vanity Fair, vol. 40, no.3, May 1933, p.36 および Nathaniel Pousette-Dart 1938. A Tree Chart of Contemporary American Art. Art and Artistes of Today, vol.1, no.6, June-July 1938, p.2 については,下記の解説記事に詳述されている:
また,有名な Alfred Barr の芸術系譜ネットワーク「Barr's diagram」とそれを継承した「Ferel's diagram」については下記を参照:
出典:Miguel Covarrubias 1933.
出典:Alfred Barr 1936.
出典:Ad Reinfardt 1946.
Jamshid J. Tehrani
The Phylogeny of Little Red Riding Hood
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0078871
PLoS ONE 8(11): e78871. 13 November 2013, doi:10.1371/journal.pone.0078871
PAUP*, MrBayes, SplitsTree を用いた「赤ずきん」テクストの系統分析.
この論文の解説記事:AFPBB News「民話「赤ずきん」の進化を系統樹で解明、英研究」(2013年11月15日)※この記事の記者さんは勉強不足じゃね?
【追記(16 Nov. 2013)】
Science 誌の解説記事:The Evolution of Little Red Riding Hood | Science/AAAS | 14 November 2013.
GQ Magazine
The Bourbon Family Tree
http://www.gq.com/life/food/201311/bourbon-whiskey-family-tree?mbid=nl_daily4
13 November 2013
島崎信+織田憲嗣が選ぶ
〈ハンス・ウェグナーの椅子展〉
http://www.spiral.co.jp/e_schedule/detail_760.html
【場所】青山スパイラルガーデン
【期間】2013年9月27日〜10月14日
椅子の系統樹!
竹尾見本帖本店展示
〈系統樹の森:系統樹を介して樹と人間と知識の諸相を鑑賞する〉
http://www.takeo.co.jp/site/event/central/201308.html
企画構成:杉浦康平
図像監修+解説:三中信宏
図像構成+ディレクション:杉山久仁彦
主催:株式会社竹尾
開催期間:2013年10月9日(水)~11月22日(金)
開催場所:竹尾見本帖本店2F (〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-18-3 → 地図).
「紙とインフォグラフィクス」を冠する今回の企画展示は,生命の樹と系統樹をめぐる観念史を振り返りつつ,情報とデータの可視化を目指す現代のインフォグラフィクスと「紙」を媒体とする最新の印刷技術がもたらす質感とイマジネーションの可能性を探る.展示会場では,古今東西のさまざまな系統樹を先端的技法を用いて印刷した作品とともに,チャールズ・ダーウィンやエルンスト・ヘッケルの原書を含む歴史的資料を展示する.
なお今回の展示に付随する企画のひとつとしてスペシャルトーク(予約制)が予定されている:「生命の樹から系統樹へ/系統樹の森を逍遥して想うこと」出演:杉浦康平・三中信宏・杉山久仁彦.2013年10月25日(金)18:30~20:00@竹尾見本帖本店2F(→ 事前申込).
前記事「金管楽器コルネットの系統発生」に書いたように,アメリカ自然史博物館の三葉虫学者 Niles Eldredge は,私生活ではジャズ・トランペ
Belinda Barnet,
FCJ-017 Material Cultural Evolution: An Interview with Niles Eldredge
The Fibreculture Jornal (2004)
http://
蒐集慾,おそるべし.
白眉センター&CAPE共催セミナー
〈文化系統学・文化進化研究の現在|『文化系統学への招待』合評会〉
【日時】2013年7月28日(日)12:50〜18:00
【場所】京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)西館2階会議室
※事前登録制(無料)
→ http://www.hisashinakao.com/cul_evo/
d-labo セミナー
三中信宏「ヴィジュアルなサイエンス:分類と系統を視覚化する」
2013年8月20日(火)19:00〜21:00
東京ミッドタウンタワー・7F
事前登録・参加無料
→ http://www.d-laboweb.jp/event/130820.html (参加者募集中)
Lawrence M. Leemis〈Univariate Distribution Relationships〉 http://www.math.wm.edu/~leemis/chart/UDR/UDR.html
有名な確率分布曼荼羅論文:Lawrence M. Leemis and Jacquelyn T. McQueston 2008. Univariate Distribution Relationships. The American Statistician, Vol. 62, No. 1, pp. 45-53, February 2008
DOI:10.1198/000313008X270448 → pdf に関わる情報は以前に拾い集めた(→「「Univariate Distribution Relationships」- 確率分布曼荼羅」).しかし,本家本元の Lawrence M. Leemis がみずから確率分布曼荼羅のウェブ版を公開していたとは今日まで知らなかった(うかつ).元論文のチャート(確率分布曼荼羅)にクリッカブルマップとしてのインターフェースを付けている.ポインターを置くだけで,曼荼羅の構造が浮かび上がるように設計されており,さらにクリックすると,該当する確率分布の詳細がリンクされている.これはとても教育的でしかもおもしろい.すばらしい.
新刊紹介:音楽リズムの幾何学 - “よい” リズムの条件とは何か?
Godfried T. Toussaint
The Geometry of Musical Rhythm: What Makes a “Good” Rhythm Good?
2013年1月刊行,The CRC Press, Boca Raton, xviii+347 pp., ISBN: 978-1-4665-1202-3 [pbk] → 版元ページ
音楽の「リズム」をどのように可視化・体系化するかが本書の中心テーマ.本書では伝統音楽の打楽器リズムを例に挙げながら,リズム・パターンのグラフ化と分類の方法を議論する.系統推定については後半に簡単に触れられているだけだが(距離法に基づく SplitsTree),前に「音楽リズムの系統推定」にも書いたように,本書の著者は音楽リズムの距離と形質状態に基づく系統推定の論文:Godfried T. Toussaint, Luke Matthews, Malcolm Campbell, and Naor Brown 2012. Measuring musical rhythm similarity: Transformation versus feature-based methods. Journal of Interdisciplinary Music Studies, volume 6, issue 1, art. #12060102, pp. 23-53, spring 2012 → journal website | paper pdf [open access] をすでに発表している.この論文ではリズムの系統推定にあたって,距離法(「feature-based method」)としてはユークリッド距離とマンハッタン距離を,一方,形質状態行列については MrBayes を用いたベイズ系統推定(「transformation method」)を行なっている.結論として,音楽学における系統推定では,距離法ではなくベイズ法がすぐれていると主張する.
→ 目次.
香道の「源氏香」は五つの香りを比べ,同じ香であるかどうかを競う.源氏香の「図」は5本の縦棒を並べて同じ香を横棒で結ぶ.
出典:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Gennji_Kounozu.svg
源氏香は五つの比較だが,系図香では四つ,三種香では三つの間での同様の比較をする. “樹形図” の場合の数は単純な組み合わせ数の計算ですむが,この樹形図はイメージ的には系統推定の合意樹(consensus tree)にそっくりである.
参照)
1. 源氏香之図 http://www33.ocn.ne.jp/~kazz921/kumiko/genjiko/genjikou.html
2. 「源氏香」と数学 http://horibe.jp/Genji_Kou.HTM
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