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系統樹ハンターの狩猟記録

日本の方言の分岐は農業の発展とシンクロしている

Sean Lee の論文が発表された(本人からメールあり):Sean Lee and Toshikazu Hasegawa (2011), Bayesian phylogenetic analysis supports an agricultural origin of Japonic languages. Proc. R. Soc. B. Published online before print May 4, 2011, doi: 10.1098/rspb.2011.0518 → abstract | pdf (open access). だいぶ前に,駒場の長谷川研でキクマルをなでなでしながら彼の話を聞いたことがある.日本の諸方言の言語系統樹を推定した上で,その歴史的成立要因を解明するというのが彼の修士論文のテーマだった.その成果のひとつ.この研究によると,日本の59方言の「共通祖語」は2,182年前にまで遡れるという.この年代推定は,日本における農業の発祥と緊密な関係を示唆していて,農業の発展が人類集団と言語分化の因果プロセスであるとの仮説を裏付けると主張されている.オーストラロネシア語族,印欧語族,そしてバンツー語族で裏付けられた仮説がここでもまた支持されたということだ.この論文については New York Times でも同時に報道されている:Nicholas Wade: Finding on Dialects Casts New Light on the Origins of the Japanese People. New York Times, 4 May 2011.

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